JRA和田竜二騎手が「最高記録」を棒に振ってでも成し遂げたいこと。「今は自分の事より……」定年間近の師匠に最後の恩返し
しかし、師にとってのラストシーズンとなった今年に、弟子がキャリアハイを更新してリーディング上位に加わり、自身500勝の節目達成に騎手として協力している――。これもまた、岩元調教師が長年思い描いてきた理想の1つの姿ではないだろうか。
「いつか厩舎を開業したら、その時は若手を育てたいと思っています」
そう話す和田騎手が岩元厩舎を継ぐことはなさそうだが、いつかは調教師になって師匠が、そして自身が貫く義理と人情を、「心が曇るようなことは、絶対にするな」という生き方を継承させたい――。
そんな未来像を密かに描く弟子が、まずは師匠の「花道」を飾ることに全力を尽くす。