JRA和田竜二のモズカッチャン称えた「男気」に絶賛の嵐! テイエムオペラオー以来9度目のG1・2着に「意味深ツイート」が示すもの
だが、本番の秋華賞ではモズカッチャンが本来の姿を取り戻し、落鉄する不利がありながらも3着に好走。和田騎手とラビットランも必死に食い下がったが、離れた4着が精一杯だった。
そうして迎えたエリザベス女王杯。和田騎手の相棒は府中牝馬Sを勝ったクロコスミアに替わっていた。レースはクインズミラーグロがクロコスミアを抑えてハナに立つという意外な展開だったが、1000m通過は62秒というスローペース。モズカッチャンもスタートを決めると好位に取りつき、内々で上手く脚が溜まっていた。
瞬発力勝負の様相を呈してきたレースは、残り600mを切った第4コーナーで一気に馬群が凝縮。最後の直線入り口でクロコスミアが手応え十分にクインズミラーグロを交わし、先頭に躍り出る。一瞬、後続を2馬身ほど突き放したが、マキシマムドパリとモズカッチャンが併せ馬のような形で猛追。
粘り込みを図ったクロコスミア、マキシマムドパリを競り落としたモズカッチャン、そして大外から豪脚を繰り出したミッキークイーンの3頭がほぼ並んだところがゴールだった。
わずかにモズカッチャンが体勢有利に見えたゴール前。それを証明するようにデムーロ騎手が力強いガッツポーズを見せると、首筋を叩いて相棒を労った。そんな勝者に声を掛け、握手を求めたのが和田騎手だった。
「悲しいです。ゴールしてすぐに『すいません』と言いましたが、和田くんは『おめでとう』と言ってくれました」
弱肉強食が日常茶飯事の「勝負の世界」とはいえ、勝利騎手インタビューに応じたデムーロ騎手はいつになく神妙な面持ちだった。
異例の乗り替わりが発表された今秋、モズカッチャンとデムーロ騎手は、ずっと”悪者扱い”を受けてきた。和田騎手のラビットランがローズSでモズカッチャンを破った際は、ネット上を中心に「スカッとした」などのコメントが溢れた。
今回のエリザベス女王杯を迎えてなお、モズカッチャンに対して「強いのは確かだけど、この馬の馬券が買いたくない」というコメントまで散見されていた。