JRA元騎手・藤田伸二氏の「引退理由」を日本経済新聞が痛烈批判!?「木を見て森を見ない典型」と述べた騎手リーディングの本質とは
要はその『8』にあたる馬を誰が差配しているということですが、エージェントと社台グループで『どちらに、より力があるのか』と述べると比べるまでもなく後者です。だから野元氏は、わざわざ藤田氏の主張を出した上で持論を展開しているのでしょう。
ただ、野元氏の言葉を拝借すれば『木を見て森を見ない議論』というのは、木がエージェントで、森が社台グループということになります。
そういった点で野元氏が藤田氏に対して『あえて見ようとしない?』と述べている通り、『森』の社台グループによる”支配”は一騎手の主張でどうこうできるものではありません。いえ、もっと言えば、例えJRAでもどうにもできないと思います。
何故なら、その膨大な規模も然ることながら、社台グループの行っていることはすべてルールに則った”王道”を突き詰めたものだからです。何もかもが正しいと述べるつもりはありませんが、基本的には競争を企業努力によって勝ち抜いてきた正統派ではないでしょうか。
だからこそ、この問題に限らず、他の一般的な多くの問題がそうであるように、藤田氏は自分が声を挙げることで意味のある部分、つまりは『木』のエージェント問題に対して意見を述べたのだと思います。
したがって、野元氏の主張は本質を射ており、確かに正しいと思いますが、根本的な問題の解決に繋がるものではないのかもしれません。何故なら野元氏の主張通り、例え日本人騎手が外国人騎手以上に社台グループからの信頼を得られるようになったとしても、グループが『最善手』を尽くす以上、結局は一部の有力騎手に騎乗馬が集中するからです」(競馬記者)