JRA「最も難解な騎手」横山典弘の10馬身差圧勝に絶賛の嵐! 競馬ファンを悩ませる”神出鬼没”武豊を超える奇才の「狙い時」とは
まさに「武豊を超える天才」といわれる男の神髄を見た一戦だった。
20日に行われた初茜生(1000万下、ダート1800m)は、横山典弘騎乗の1番人気ハイランドピーク(牡4歳、美浦・土田稔厩舎)が勝利。10馬身差圧勝の派手なパフォーマンスに、寒空の中山競馬場はどよめきと歓声に包まれた。
「まさか」と言っては失礼だが、まさかまさかの圧勝劇だった。この日のハイランドピークは1番人気だったとはいえ、単勝オッズは2番人気馬と同じ2.6倍。1000万下クラスに昇級してから4着、2着と決して抜けた存在ではなかった。
レースではハイランドピークが好スタートからハナを主張すると、向正面に入ってもぐんぐん加速。そのまま後続を大きく突き放す、大逃げの形となった。
しかし、ここまで快調に飛ばしていたハイランドピークが第3コーナー手前で失速。みるみる内に後続との差が詰まり、どう見てもオーバーペースで逃げた馬が早々にバテているようにしか見えなかった。1番人気だっただけに「何やってんだ!」と悲鳴を上げたファンも多かったのではないだろうか。
だが、これらがすべて横山典騎手の「作戦」だったから驚きだ。
勝負所を迎えて1番人気馬が下がってきただけに、後続の騎手たちは当然「本命馬が 消えた」と色めき立ったに違いない。各馬のアクションが激しくなりペースが上がると、ハイランドピークは一気に馬群に飲み込まれるかと思われた。