JRA「最も難解な騎手」横山典弘の10馬身差圧勝に絶賛の嵐! 競馬ファンを悩ませる”神出鬼没”武豊を超える奇才の「狙い時」とは
しかし、飲み込まれる寸前で、何故か飲み込まれないまま先頭を走り続けているハイランドピーク。一度動き出した各馬は、本命馬を飲み込もうと躍起になってスパート合戦を開始しているが、その差がなかなか埋まりそうで埋まらない……。
「横山典弘が一端引きつけて、また振り切っていきます!」そんな実況が入り、色めき立ったライバルたちが、実は”希望”は「絶望の入り口」だったと悟った頃には、レースは4コーナーに差し掛かっていた。
ここまで来たら引き下がれないと、何とか躍起になって本命馬を飲み込もうとする後続馬に対して、一度”休んでいた”ハイランドピーク。その手応えは歴然とした差は、最後の直線に入り「着差」となって現れた。
横山典騎手の緩急をつけたペース配分によって、1000m近いロングスパート合戦を強いられた後続馬と、作戦通りの”マイペース”でレースを支配した1番人気馬とでは勝負になるはずもない。
ワンサイドとなったレースは、最後には10馬身差がついていた。
「武豊以上の天才」とさえ称される横山典騎手だからこそできる”逆”ポツン。後続に脚を使わせる逃げのお手本のようなレース……いや、あまりにも絶妙過ぎて真似できる人間がいないため、お手本にはならないかもしれない。普通の騎手なら、誰もこれほど大胆な逃げを打とうとは思わないからだ。