JRA・C.ルメール騎手「悪夢」払拭の桜花賞(G1)へ……三冠馬級の大器アーモンドアイが「これだけは避けたい」敗北パターンとは
チャンスは十分。すでに歴史的名牝になる資質を見せているアーモンドアイは、大本命馬ラッキーライラックを実力でねじ伏せてもおかしくはない大器といえるが、それだけにルメール騎手に掛かってくるプレッシャーも比例して大きくなる。特にこの桜花賞はルメール騎手にとって、まさに「因縁のレース」だ。
「まだ桜花賞勝ったことないです。去年と一昨年は、大きなチャンスがありました」
4日に行われた共同記者会見の席で、ルメール騎手は桜花賞をそう振り返った。ここ2年の桜花賞は一昨年のメジャーエンブレム、昨年のソウルスターリングと単勝1倍台の大本命馬がいずれも敗退。多くの場合、その事実は同じ2歳女王で単勝1倍台が予想される今年の大本命馬ラッキーライラックの”重箱の隅をつつく”際に用いられているが、その「鞍上」はいずれもルメール騎手である。
つまり、桜花賞はルメール騎手にとって「悪夢」のような思い出ばかりが募るレースということだ。
一昨年のメジャーエンブレムは「4角先頭」という絶対的な勝ちパターンを持っていた。しかし、単勝1.5倍に支持された桜花賞ではスタートからダッシュがつかず、あっという間に他馬に囲まれると、好位からの競馬を強いられることに。そのまま迎えた最後の直線で懸命に脚を伸ばしたが、4着に敗れた。
「スタートがあまり速くなく、5、6番手(記録上は7番手)からの競馬になりました。スペースができた時に少し脚を使いましたが、基本的にワンペースで走る馬で、今日は展開が向きませんでした……」
さらに昨年のソウルスターリングは、明確な勝ちパターンを持つメジャーエンブレムと比べて競馬に幅のある馬だったが、今度は稍重の馬場に泣いた。父、母共に欧州の重い馬場で大活躍した良血馬だっただけに陣営も「雨は大丈夫」としていたが、最後の直線で伸びを欠いて3着に敗退。