JRA岩田康誠「トンネル」抜けるレインボーライン大復活……3年ぶりG1制覇達成までの「不運」と「長過ぎる道のり」
復活を喜びたい。
4月29日に行われた天皇賞・春(G1)。核となる馬がおらず、混戦が予想されたレースは、終わってみれば2、3着は人気だったものの、1着に突き抜けた馬が穴を演出し、一人の男に再びスポットライトが当たった。レインボーラインと岩田康誠騎手。
強引にインを突き、その行為に賛否両論が上がったが、さほど叩かれることもなかった全盛期。有力馬のオファーが多く、活躍し結果を出している以上、文句も抑えられていた。しかし、ある出来事から岩田騎手を取り巻く環境が変化し始める。「2014年のジャパンカップでジェンティルドンナのジョッキー交替劇がありました。それまではドバイ2着、宝塚3着ときて、秋初戦の天皇賞で2着になったので、岩田騎手からR.ムーア騎手に交替となったのです。その3走とも1番人気だっただけに陣営としてもやむを得ない決断だったのでしょう」(競馬記者)
クラブ馬の宿命とはいえ、シビアな対応ではあった。
「ドバイは強豪を相手によく2着に持って来ましたよ。宝塚はその反動があったから3着。天皇賞は直行でしたから馬が掛かってしまい、それを利した岩田騎手が先行して2着。不運も重なりました」(同記者)
以後、結果が出ず主戦を交代させられることが増えてくると、彼に対する苦言が増し始める。取りこぼし、相変わらず強引なイン、落馬事故の当事者……彼への風当たりはピークを迎える。さすがに彼は強引なインを控えるようになったが、それと並行して、バッシングしてきたマスコミを彼のほうから取材拒否するようになった。そして岩田騎手の気持ちを削ぐ決定的な事が起きる。