JRA「牝馬二冠」へアーモンドアイ最大の「不安」……能力圧倒的も「出遅れグセ」の奥にある「唯一の弱点」とは
「去年(の騎乗した馬)は距離など半身半疑だったけど、今年は絶対の自信があります!」
主戦のルメール騎手が力強くアーモンドアイの状態を語った。
牝馬クラシック二冠目、5/20に行なわれるオークス(G1)。一冠目の桜花賞を獲ったアーモンドアイが、おそらく今回は1番人気でこの3歳牝馬の頂点を目指すことになる。だが、アーモンドアイの二冠達成の可能性は、高いのだろうか。
改めて桜花賞を振り返ってみる。
2番人気のアーモンドアイは、出遅れて後方を追走。比較的締まった流れで外目を進み、直線一気で伸びてきて、先に抜け出した1番人気のラッキーライラックを交わし1着に。上がり最速のキレ味で3連勝。桜花賞制覇となった。
「正直、桜花賞組のオークスでの逆転が難しく感じるほど、アーモンドアイに強さと余裕がありましたよね。別路線組も時計的に厳しいと言わざるを得ないんじゃないですかね」(競馬記者)
デビューからの戦いを振り返ってみる。
新馬戦は新潟の芝1400mだったが、痛恨の出遅れで後方追走。最速の上がりで追い込むも前残りの展開で2着。しかし陣営は敗戦理由を出遅れではなく「距離が足りなかった」と語っている。父はロードカナロアではあるが、馬体から中距離が適しているという判断。今にして思えば、この国枝調教師の相馬眼は凄い。
2戦目の東京未勝利戦は芝1600mと距離を伸ばす。スタートはまた悪く、出遅れて中団追走。しかし、ラストは上がり最速で追い込み、ノーステッキで快勝する。陣営の思惑通りだ。
3戦目で重賞初挑戦。京都の芝1600mのシンザン記念を使う。またしてもスタートは出遅れ。後方からの競馬だったが、それほどペースは速くなく直線へ。やはりラストは、上がり最速で1着。稍重で上がり34秒台の脚を使えるのは魅力である。牡馬との混合戦、馬場は稍重、と牝馬にはきつい状況だが、すべて克服してみせた。
そして4戦目、そのまま馬体を維持し、桜花賞へ直行。クラシック一冠目を獲得した。デビューからの4戦、すべて上がり最速タイム。これは強烈な武器である。
アーモンドアイは、デビュー前の馬名が付いていない頃から評価が高かった。