武豊スマートオーディン「完全復活」の走りは可能!? 転厩、ゴタゴタ、長期休養でも素質に疑いなし


「そのまま休養に入ったスマートオーディンは、年明けた2016年2月に共同通信杯(G3)を使いますが6着に敗れてしまい、少しローテーションが狂います。陣営は皐月賞に向かわずに、毎日杯に出走。上がり最速の32.7秒で勝ち重賞2勝目。ダービーに向かう準備が整いました。しかし、このあとで大川徹オーナーと松田調教師との間で、スマートオーディンの使い方を巡り意見が合わなくなってきます」(同ライター)

 松田調教師は、これまで2001年のクロフネから毎日杯、NHKマイルカップ、日本ダービーというローテーションでダービー馬にすることを目指してやってきた。2002年にはタニノギムレットを、2004年にはキングカメハメハをダービー馬にさせており、また2008年には昆貢調教師がまったく同じローテーションでディープスカイをダービー馬にしている。

 いつしかこのローテーションは、ファンや関係者の間で”マツクニ•ローテ”と呼ばれるまでになっていた。

 だが、オーナーサイドとしては、ダービー馬になれるチャンスがあるのならばあえてリスクに晒したくはないと思うのは至極当然の考え方であり、どちらも正論である。

「結局、オーナーサイドの意向のままに京都新聞杯(G2)を使うことを選択し、 勝って日本ダービーへ向かうことになります。ですが、京都新聞杯の次の日がNHKマイルカップ。メンバーも怖いのはメジャーエンブレムくらいでしたから、スマートオーディンが出ていたら勝っていたかもしれませんね。間隔も京都新聞杯もNHKマイルカップも同じ中2週ですし」(同ライター)

 果たして日本ダービーに向かうのだが、ペースが遅くて追い込みが届かなかった。掲示板も外し6着に敗れる。

「ダービー後にスマートオーディンは放牧に出されましたが、今度は秋以降のローテーションを巡り厩舎側とオーナーサイドとの意見が折り合わなくなりました。オーナーサイドは決断し、池江泰寿調教師のところへ打診をして、スマートオーディンを移籍させたということです。

松田調教師はマイルも含めた中距離路線を、オーナーサイドは長距離路線を歩ませたかったんだと思います」(同ライター)

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