JRA・新G1ホープフルS優勝馬は何だったのか。ワグネリアン、アーモンドアイ、JRA3歳クラシックを総括
日本ダービーが終わり春の3歳クラシック戦線はひと段落、先週から2歳新馬戦が始まり、すでに来年の日本ダービーを目指す戦いが始まっている。しかし来年のクラシック戦線を占う前に、まずは今年の3歳戦線を振り返り来年への参考としたい。
2017年が終わったとき、2018年のクラシック戦線は2頭の馬を中心に動くと思われていた。それが無敗の2歳女王ラッキーライラックと無敗の2歳王者ダノンプレミアムだ。ラッキーライラックはデビュー戦、アルテミスステークス(G3)、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)をすべて完勝、無敗の2歳牝馬としてJRA最優秀2歳牝馬に選ばれた。父は新種牡馬のオルフェーヴルで、石橋脩騎手とのフレッシュなコンビも話題となり、桜花賞前哨戦のチューリップ賞(G3)も快勝、4戦4勝で桜花賞を迎えた。多くの競馬ファンが無敗の桜花賞馬誕生を期待したが、それを一蹴したのがアーモンドアイの豪脚だった。
アーモンドアイはデビュー2戦目で初勝利を挙げ、3戦目のシンザン記念(G3)で牡馬相手に快勝。桜花賞は鞍上にルメールを迎え、まさに人馬一体の走りで大外一気、並ぶ間もなくラッキーライラックを抜き去り優勝。ルメールは「牝馬三冠を狙える」とレース後に語っており、優駿牝馬(オークス)も同馬が中心というのが多くの関係者の見解であった。しかしアーモンドアイの父は新種牡馬のロードカナロア。短距離路線で活躍した父の影響もあり、オークスはラッキーライラックが巻き返すという見方も少なからずあった。だがその2強対決に割って入ったのが、トライアルレースのフローラステークス(G2)を大外一気のごぼう抜きで圧勝したサトノワルキューレだった。同馬はディープインパクト産駒で鞍上はM.デムーロ。その走りっぷりからオークスはこの3頭による3強争いとみられた。
5月20日東京競馬場。アーモンドアイ、ラッキーライラック、サトノワルキューレの三強対決に多くの競馬ファンが集結。しかしレースは何の波乱もなくアーモンドアイの圧勝、2着は桜花賞3着のリリーノーブル、ラッキーライラックは3着、サトノワルキューレは伸びきれず6着に敗退した。アーモンドアイはデビューから5戦すべてあがり最速を記録、特に1600mの桜花賞と2400mのオークスで同じ33秒2を記録するなど圧巻の内容。まさに同世代にライバルは不在、春の3歳牝馬戦線はアーモンドアイのみが目立ったといえるだろう。夏を順調に過ごせば牝馬三冠最終戦の秋華賞(G1)も難なく突破し、ジェンティルドンナ以来の牝馬三冠も目前だ。