【G1回顧・宝塚記念】女傑マリアライトが制した春のグランプリ!2着ドゥラメンテは「引退か」レース後に下馬のアクシデント

 前日まで降り続いた雨は、やはりこの馬に味方した。

 昨年、今回と同じ稍重で距離2200mだったエリザベス女王杯(G1)を制したマリアライトが、春のグランプリ宝塚記念(G1)で今度は超一流牡馬を相手に大仕事をやってのけた。

 昨日までとは打って変わって、午前中には晴れ間も広がった阪神競馬場。馬場状態がどこまで回復するか注目されたが、最終的には「稍重」という微妙なコンディションでメインレースを迎えることとなった。

 1番人気は、秋には凱旋門賞出走が控える日本の総大将ドゥラメンテ。2番人気がファン投票1位だった天皇賞馬キタサンブラック。3番人気が未完の大器といわれているアンビシャスと、上位人気は今年の重賞戦線でも活躍の目立つ4歳馬が占めた。

 マリアライトは前走の目黒記念(G2)の取りこぼしが響いた形で、単勝25.1倍の8番人気に甘んじていた。

 スタートは大きな出遅れもなく、ある程度揃った形だった。内からまずキタサンブラックが主導権を主張。特に競り掛けることもなく、2番手にワンアンドオンリー、トーホウジャッカルがそれに続いた。

 アンビシャスは大阪杯(G2)のようにキタサンブラックを見る形で好位をキープ、マリアライトはまずまずのスタートも馬場の悪い内側を避けて中団の外目を追走。スタートでやや立ち遅れたドゥラメンテは無理をせず、後方12、3番手に控えた。

 隊列こそすんなり決まったが、キタサンブラックに対して大阪杯や天皇賞・春のような楽逃げをさせるつもりはないようだ。ワンアンドオンリー、トーホウジャッカルがしきりにプレッシャーをかけ続け、1000mの通過は59.1秒。稍重であることを考慮すれば、前が苦しいペースであることは明らかだった。

 レースが動き出したのはラスト800mを切った3コーナーあたりからだった。外からサトノノブレスとラブリーデイが徐々に進出を開始。すぐ後ろにはマリアライトも抜群の手応えで前を伺っていた。一方でドゥラメンテは、馬群の中で進路を模索したまま前に進めない。

 4コーナーから最後の直線に入ったところで早々にワンアンドオンリー、トーホウジャッカル、さらには内々を回っていたアンビシャスが脱落。それらを振り切ったキタサンブラックが敢然と先頭に立ったが、外からサトノノブレスとラブリーデイ、そしてマリアライトが 強襲を掛ける。

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