武豊マテラスカイは「世界」が認めた超速スピード! ダート短距離界の頂点へ、満を持して重賞挑戦も「不安」は距離よりむしろ……
日本のダートでは8日のプロキオンS(G3)が重賞初挑戦とはいえ、伸び盛りのマテラスカイ(牡4歳、栗東・森秀行厩舎)は「戦った相手」が違う。
ここまで18戦5勝と、全体のキャリアだけを見れば特別目立った成績ではない。実際に、昨年末までの本馬は1000万下で敗戦を重ねる一介のダート短距離馬に過ぎなかった。
しかし、今年1月のレースで主導権を掴む逃げを試みると、いきなり2着。陣営は次走から豊富な経験を持つ武豊騎手を起用すると、そこからあっさり連勝を重ねて一気にオープンクラスまで駆け上がった。
圧巻だったのは、そのままの勢いで挑戦したドバイゴールデンシャヒーン(G1)での走りだ。
昨年の覇者で連覇を成し遂げたマインドユアビスケッツや、昨年の米国最優秀スプリンターロイエイチなど、世界の最強ダートスプリンターを相手に5着に善戦。ちなみにこの着順は、JBCスプリント(G1)などを勝ったマイネルセレクトらと同じ日本最高着順だ。
騎乗した武豊騎手も「スピード負けはしていなかった」と手応え。そのスピードに世界の競馬関係者も驚き、コースレコードを更新する高速決着の中、収穫のある一戦だった。
「まだオープンに上がったばかりで、いきなり海外遠征とは、如何にも森厩舎らしい積極的な遠征でした。ちなみにマテラスカイにとっての重賞挑戦は、2歳秋の京王杯2歳S(G2)以来。敗れはしたものの世界のトップスプリンター相手に堂々とした走りでした。オープン実績なしという”無名のスプリンター”の善戦に日本のファンだけでなく、海外の関係者も驚いていたようです」(競馬記者)