JRA「三冠馬候補」爆誕!? 「隠れた良血」が新馬大楽勝で一気に注目株に
7月28日に札幌競馬が開幕し、今年も第1週目から話題の新馬が続々とデビューしている。
29日の5R新馬戦(芝1800メートル)は、昨年姉のソウルスターリングがこの新馬戦を勝ったシェーングランツ(父ディープインパクト)が1番人気。結果、このレースでは2番人気、J.モレイラが騎乗したクラージュゲリエ(父キングカメハメハ、牡2、栗東・池江)が勝った。
クラージュゲリエの勝ちっぷりはマスコミも絶賛したが、ネット上のファンも「矢の如し…凄い」「これは怪物級」「来年の三冠馬誕生!」などと盛り上がっている。クラージュゲリエの新馬戦を振り返り、その可能性を探ってみたい。
クラージュゲリエはキャロットクラブ所属(馬主はキャロットファーム)。キャロットクラブは公式ホームページで「Our Bloodの旗印を掲げ、ブラッドスポーツである競馬を皆様にご堪能いただくことを命題としてきた」と表明しているように、牝馬の血統にこだわる。
クラージュゲリエの母ジュモーは未勝利と500万下を2回(いずれもダート)、計3勝しかできなかった。しかし、ジュモーの祖母はフェアリードールで、トゥザヴィクトリーの母だ。ジュモーの母がビスクドールでトゥザヴィクトリーの妹。
ジュモーの仔プロフェット(父ハービンジャー)、つまりクラージュゲリエの兄は京成杯(G3)を勝ち、札幌2歳S(G3)で2着。今後日本で勢力をさらに広げていく血統背景を持つ。ちなみにデニムアンドルビーもフェアリードール一族だ。
肝心のクラージュゲリエの新馬戦を振り返る。ゲートが開くと3頭が先頭集団を形成する。クラージュゲリエもポンと出て、前3頭からちょっと離れた4番手につける。絶好位を簡単に取りきったように見えた。
ところが、道中クラージュゲリエは何度も首を上げイヤイヤをする。徐々に後ろに下がっていき、各馬が追い出される4角手前では最後方。モレイラ騎手が外に持ち出そうとすると、外の馬と接触してまたイヤイヤ、内に切れ込もうとする。
それでもモレイラ騎手が大外に持ち出し、他馬とは次元の違う切れ味で突き抜けた。タイムは1.54.2、上がり3Fは34.0と際立った数字ではない。1000メートル通過が1.07.1という超スローだったためだ。それでも上がり2位の34.8とは0.8秒差をつけた。ただし、直線で左ムチが入ると内に切れ込んでいる。