JRA2冠牝馬アーモンドアイの牙城を脅かす、この夏の注目の上がり馬たち
夏競馬も真っ盛り。競馬ファンのこの時期の楽しみは、続々とデビューする2歳新馬戦と、秋の大舞台に向けた「夏の上がり馬たち」の活躍ではないだろうか。
今年の3歳牝馬はレベルが高いのだろうか? 6月からの古馬混合戦となってからの勝ち鞍が目立つ。500万下のレースではあるが、6月3日の阪神9R 芝2,000m 城崎特別では、ズブさを見せながらも後方から一気、3F上がり33.7を繰り出した、オルフェーヴル産駒のサラスが勝ち上がった。また、6月30日の福島8R 芝1,800mをなんなく勝ち上がったハービンジャー産駒のヴェロニカグレース、7月15日 福島9R 芝2,000 種市特別では、今年の宝塚記念勝馬ミッキーロケットの半妹、ダイワメジャー産駒のダノンポピーが2馬身半差で圧勝。
そして、先週末の8月5日、小倉9R 芝1,700m 青島特別では、一口馬主クラブのシルクレーシングで6,000万円と高額募集であった未完の大器、ディープインパクト産駒のサラキアがその価格に違わぬ本領を発揮して、レコード勝ちを収めた。
なんといっても特筆すべきは、先週末の8月5日、札幌12R 芝1,800m 1000万下 藻岩山特別に、大ベテランの横山典弘騎手を背にして出走した、ミッキーチャーム(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)。
スタートからゴールまで終始先頭でレースを行い、1000m通過58.6のハイペースを自身で演出しながらも、1:46.5の好タイムで逃げ切って快勝した。ハンデ差があるとはいえ、2着馬はこの春のマイル重賞戦線で活躍した、J.モレイラ騎手騎乗のファストアプローチ(3歳牡)。この快走で、秋の3歳牝馬トライアル戦線に躍り出る。
一概に比較はできないものの、同じコースで行われた2週前のTVh賞(1600万下)の勝馬スティッフェリオ(牡4歳)のタイムは、1:47.2(1000m通過59.8)。そして先週のクイーンC(G3)でのディアドラ(昨年の秋華賞馬)の勝ちタイムは、1:46.2(1000m通過59.1)。
これらのレースタイムと比較しても、たらればではあるが、単純計算では同じレースに参加していても勝ち負けになるレベル。おのずとこの馬の潜在能力の高さが伺える。