ドバイワールドC2着の名牝トゥザヴィクトリーの”最高傑作”がついにデビュー!世界最高峰の育成牧場ノーザンファームで『横綱』と評される理由
「重賞勝ちもある兄たちは、とりわけスピードの持続力が武器でした。一方で、トゥザクラウンはキレそうな感じです。また、調教をやってもへこたれず、休んだこともありません。乗り始めた時から背中の可動域が広くて『これはすごいな』と思った馬。デキはいいですし、頼もしいです」
そう話すのは、トゥザクラウンの育成を担当したノーザンファームの木村浩崇氏だ。言い換えれば、トゥザクラウンは母や兄弟の優れた部分を受け継ぎながら、それに日本ダービーやオークスが行なわれる東京競馬場の長い直線でもキレ負けない”瞬発力”を兼ね備えているということなのだろう。
「育成を始めた頃はまだ体がゆるい印象でしたが、今はシャープになって、動きも急激によくなりました。坂路を走っても、自分から進んでいきますし、文句なしの手応えで上がります。操縦性もあって、本当に優等生ですね」
数々の名馬を手掛けてきたノーザンファームがそう評価するトゥザクラウンは、三冠馬オルフェーヴルや、今年のクラシックを沸かせたサトノダイヤモンドを手掛ける池江泰寿厩舎への入厩がすでに決まっている。
これまで瞬発力が足りないために、あと一歩でG1を取り逃がしてきた名牝トゥザヴィクトリーの子供たち。しかし、どうやら今年のトゥザクラウンは一族の”課題”であった瞬発力を兼ね備えた紛れもない「本物」のようだ。
来年のクラシックに向けて、また一頭大物が出現しそうだ。