【2016上半期プレイバック】3歳牡馬編「キラ星の如く現れた多くの俊英。『史上最強世代』襲名は、あの名騎手の一言から始まった」

2016年初頭

弥生賞(競馬つらつらより)

 世代の中心にいたのは2歳王者『リオンディーズ』。デビュー僅か2戦で朝日杯FS(G1)を制したこともあるが、後方から豪快に差し切ったレースぶりはクラシックを意識させるに十分なものだった。また、母が日米オークス馬シーザリオであることも、この馬を推す声に拍車を掛けた。

 その朝日杯FSで2着に敗れた『エアスピネル』も一定の評価を受けていたが、高いマイル適性を見せていたことから、距離が伸びての逆転は難しいと言われていた。むしろ、ホープフルS(G2)を制した『ハートレー』の評価の方が高く、その評価は「リオンディーズと互角」という見解もあったほどだ。

 そこで2着した『ロードクエスト』も、圧勝した新潟2歳S(G3)以来のレースということもあり、クラシックでの飛躍が期待されていた。他には東京2歳S(G3)を制した『スマートオーディン』の評価も高く、新馬戦、500万下を楽勝で勝ち上がった『サトノダイヤモンド』には「ディープインパクト級」との極めて高い評価を下した評論家もいた。

1月

 クラシック候補に上げられる非常に楽しみな馬が揃ったが、その中で2連勝中だった『シルバーステート』が故障離脱。順調に使われていればクラシックで上位争いは確実と言われていた逸材だけに、離脱を惜しむ声が相次いだ。

 年明けの福寿草特別(500万下)で、セレクトセールで2億5200万円(税込み)の値を付けた『ロイカバード』が完勝。超高額馬に武豊という組み合わせで大きな注目を浴びた。また、若駒S(OP)では『マカヒキ』が上がり3ハロン32.6秒という鬼脚で快勝。新馬、若駒Sの連勝は父ディープインパクトと同じ道であり「ディープの再来」と言われていた。

2月

 ロイカバードと同じく、セレクトセールで2億4150万円(税込み)という超高額の値を付けたサトノダイヤモンド。2頭が激突したきさらぎ賞(G3)は「5億円対決」として注目された。結果はサトノダイヤモンドが持ったままの圧勝。3着に敗れたロイカバードは、事実上クラシック戦線から脱落した。

 その翌週の共同通信杯(G3)にも、ハートレーとスマートオーディンの2強が登場。重賞ホース2頭による一騎打ちが期待されたが、レースを制したのはホープフルSを発熱で回避していた『ディーマジェスティ』。期待された人気2頭は、まったく見せ場のないまま惨敗した。

 一方で、ますます評価を高めたサトノダイヤモンドは、皐月賞(G1)に直行することを発表。ハートレーとスマートオーディンという有力馬2頭の評価が急降下し、クラシックはサトノダイヤモンドの「一強時代」の到来を告げつつあった。

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