JRA池添謙一騎手「悪評リセット」大成功!? ブラストワンピースら強力「関東馬」は”しがらみ”のない美浦滞在の成果
2日の新潟記念(G3)を大外一気で制したことで一躍、菊花賞(G1)戦線の中心に躍り出た感のあるブラストワンピース(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)。しかし、その圧勝劇の裏に主戦・池添謙一騎手の巧みな騎乗があったことを忘れてはならない。
単勝1.8倍という人気集中の状況、そしてブラストワンピースの脚質を考慮すれば1枠1番という枠順は、むしろ難しいシチュエーションといえるだろう。そういった中、池添騎手はスタートで行き脚がつかないとみるや、包まれるのを考慮して早めに外へ誘導。いつでも動けるポジションを確保すると、最後の直線では馬場の良い大外へ。そこから一気に伸びると、ノーステッキで勝負を決めた。
「以前に比べて落ち着きが出たのが一番。道中はフワフワしていたくらい。菊花賞は3000mなので、これだけ落ち着いて走れた点は次に繋がると思います」
レース後、そう手応えを表現した池添騎手。一見、馬の力に任せた大胆な騎乗は、相棒の力を信じていなければできない作戦だ。JRAのG1・23勝を誇る「大舞台に強い池添」健在を思わせる見事なレース運びだった。
2002年にアローキャリーの桜花賞(G1)でG1初制覇を飾ってから、毎年のように大レースを勝ちまくってきた池添騎手だが、昨年はレーヌミノルで桜花賞こそ勝ったものの、重賞はわずか2勝。存在感を発揮できずに終わってしまった。
巻き返しが求められた今年、年始からある意味”池添騎手らしい”大胆な行動に出た。一時的に騎乗の拠点を関東の美浦トレセンに移したのだ。結果はすぐには表れなかったが、その時に植えた”芽”は、ここに来て確実な成果をもたらそうとしている。