武豊「リーディング目指さない」発言の”真意”。JRA通算4000勝の節目を迎えた競馬界のレジェンドが示した「未来像」とは
確かに全盛期には年間200勝を上げていた武豊騎手だが、ここ最近はリーディング争いどころか100勝の大台に乗せることが難しい状況になっていた。今年も現在58勝でリーディング14位。先週のスプリンターズS(G1)で見せたように大舞台での勝負強さは健在だが、勝ち星は確実に減少傾向にある。
しかし、その一方で競馬人気はまだまだ「武豊依存」を保ったまま。本人にも第一人者としての自覚があるからこそ、あえて自身の現状を受け入れ「今後、競馬界のために何ができるのか」を考えた上での発言なのだろう。
「秋のG1シーズンを迎え、今年も競馬は大きな盛り上がりを見せていますが、やはり武豊騎手の影響力は極めて大きい。近年を振り返っても、最も人気と知名度を兼ね備えた馬はキタサンブラックです。あの馬にしても、ただ北島三郎さんの馬というだけでなく、武豊騎手が主戦を務めたからこその爆発的な人気だったと思いますね。
最近では海外馬券の発売も定期的に行われ好調な売れ行きを保っていますが、あれも武豊騎手が積極的に日本馬とともに海外へ遠征して道を作ってきたからこそ。日本の競馬ファンに世界と戦う『夢』や『ロマン』を提供し続けたからこそ、今の人気があると思います。その貢献度は計り知れませんよ。
今後は騎乗数なども減らす可能性もありますが、むしろキャリアを長く続ける上では自然な選択。日本競馬にはまだまだ『武豊』が必要ですし、今後もここ一番で大きな話題や盛り上がりを提供してくれる騎手であり続けてほしいですね」(同)