武豊とキーファーズ「凱旋門賞制覇の夢」近づく? 新馬ゴータイミングの勝利で松永幹夫調教師もニンマリ?
初めてターフに降り立つ2歳の若駒には過酷な重馬場での開催となった29日の阪神競馬場。5R芝1,800mの新馬戦では、豪華なメンバーがデビュー戦を迎えた。
タッチングスピーチの全弟で2億9,160万円という超高額馬サトノルークス、サラキアの全妹サラミス、ハクサンルドルフの半弟アールジオールなど、良血馬、評判馬が揃いに揃った。そんな中、勝利したのは5番人気のゴータイミング(2歳牡 栗東・松永幹夫厩舎)だった。
レースを振り返ってみる。ゴータイミングは8枠13番。まずますのスタートを決めると中段からの競馬となった。鞍上の武豊騎手は馬場も渋っていることもあってキックバックの少ない外目での競馬に徹した。馬場状態から前残りを意識しての先手はマイネルウィルトスとラッキーバローズの2頭が、続いてブリッツアウェイ、ジェンメオなどが2番手グループを形成しレースは進む。
4コーナーをまわると武豊騎手はゴータイミングに手綱で気合を入れ、馬場の良さそうなコースの中央から脚を伸ばしてきた。直線に入り残り200mあたりで逃げ粘るマイネルウィルトスを捉えたが相手もしぶとく粘り込み、差しきれない。しかし武豊騎手も親友の所有馬とあってか? 勝ちに拘った。武豊騎手の新馬戦としては珍しく同馬に計10発のムチで喝を入れた。2頭が競り合う中、後ろから仕掛けをワンテンポ送らせてきたC.ルメール騎乗のサトノルークスが鋭い伸び脚を見せ、3頭がほぼ同体でゴール。際どい結果はクビ差でゴータイミングが1着。ゴール板を過ぎた後の武豊騎手はさぞ安堵したことだろう。
同馬は2016年2月22日生まれの社台ファーム生産馬で、母サラフィナの3番仔。父はディープインパクト。後に庭先取引でキーファーズがオーナーとなった。兄には、今夏、突如として海外競馬に挑戦し”日本の1000万下を勝てないのに仏国G3メシドール賞を勝ってしまった”ジェニアル。また同馬は武豊騎手と親交の厚いタレントの木梨憲武が名付け親ということでも話題となった。
ゴータイミングのオーナーは、武豊騎手と公私に渡って交流があると言われる”武豊主義”を貫くキーファーズこと松島正昭氏。2015年からJRAで所有馬を走らせ始めた新米馬主で、2015年のセレクトセールではディープインパクト産駒のサラフィナ’14を1億6000万円で落札し、一躍注目を浴びた。「夢は武豊さんで凱旋門賞に行くこと」と、その意気込みと多くの高額馬を購入することでも話題を呼ぶ人物となった。