JRA毎日王冠(G2)「2億円の真価」ついに発揮!? サトノアーサー「一流馬」へ上位進出の鍵
10月7日、秋の東京競馬開幕を告げる毎日王冠(G2、芝1800メートル)が開催される。上位人気に支持されそうなのがサトノアーサー(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)。この馬の毎日王冠での可能性を探ってみる。
サトノアーサーはセレクトセールにおいて約2億円で落札され、デビュー前から話題になっていた。2歳時、2戦目のシクラメン賞(500万下、芝1800メートル)を上がり3F32秒7という驚異的な末脚で圧勝すると、一躍3歳クラシックの有力候補となる。しかし、3歳時完成途上にあった同馬は皐月賞未出走、ダービー(G1)10着、菊花賞(G1)11着という結果しか残せなかった。
菊花賞後はオープンで好走し、今年6月のエプソムC(G3、芝1800メートル)でようやく重賞タイトルを手にした。4歳春になって本格化、夏を越してもっと成長していれば毎日王冠を勝てる可能性も低くない。ここを勝って天皇賞・秋に臨めば大いに楽しみな存在だ。
なにしろ今年の天皇賞・秋は3歳のワグネリアン、ダノンプレミアム、4歳のスワーヴリチャード、レイデオロ、アルアイン、サングレーザー、5歳のマカヒキ、ヴィブロスといった錚々たるメンバーが想定されている。これにサトノアーサーという、もう1頭のチャレンジャーも加わるわけだ。今からワクワクしてしまうが、それは先の話。毎日王冠のサトノアーサーに戻ろう。
サトノアーサーの青鹿毛の馬体は見映えがいい。高額で取り引きされ、2歳時にはクラシックの筆頭候補に挙げられたのもうなずける。4歳になって逞しさを増した同馬がどんなレースしたのか、前走と前々走を振り返ってみる。
まず前走のエプソムC。ポンと飛び出す良いスタートで、道中は外目の5~6番手。直線に入ると少し置かれ気味になったが、戸崎騎手が本気で追い出すとグイグイと脚を伸ばして先頭でゴール。馬場コンディションは重。1000メートル通過は59秒6、勝ちタイムは1分47秒4、上がり3Fは3位の35秒2。