JRA「復活悲願」サトノダイヤモンドはトンネルを脱したのか、気になる次走こそ「ベスト」と証明?
レース前の取材で池江調教師は「前走は自分らしい競馬ができなかったですが、放牧から帰厩後は特に悪いところもなく順調な感じですね。いいころの状態には少しずつ着実に近づいてきています。毎日稽古をつけてくれている川田騎手ですが、彼なりに感じるところもあって普段からの調教も色々と考えながらやってくれています。競走馬にはその時その時で一番のピークというのがあって、現状でのサトノダイヤモンドの雰囲気や状態は決して悪くはないです」(グリーンch トレセン情報局より)と、3歳時の”凄みを見せた時期”とは馬が違ってきていることを示唆しつつも、少しづつ調子が上がってきていると評した。
実際、池江師のコメントの通り、10月4日の栗東CW調教では3頭併わせで、6F「85.4 – 68.3 – 53.0 – 38.9 – 11.4」と末に重点を置いた軽めにも思える追い切りだったが、その中身は、首の使っての推進力や先行させた2頭をスッーとかわしていくあたりは、タイムではない”競走する気迫”が戻ってきつつあるように窺えた。
京都大賞典を振り返ってみる。各馬綺麗なスタートとなり、先手をとったのはウインテンダネスで、1コーナー過ぎで10馬身以上引き離しての大逃げをうってレースは幕を開けた。番手にはプラチナムバレット、ケントオー、レッドジェノヴァが馬群の先団を形成した。鞍上の川田騎手とサトノダイヤモンドはシュヴァルグランの後ろ7番手のポジションをとりレースを進める。3コーナー手前あたりで奇を衒ったスマートレイアーが一気に上がっていくとシュヴァルグラン、サトノダイヤモンドらもじわっとポジションをあげていく。サトノダイヤモンドは、4コーナーをまわり直線入り口では余力のなくなったウインテンダネスを射程に収めたかと思う間も無く、直線半ばではかわして先頭に立った。シュヴァルグランやアルバートが追走するも追いつけず、仕掛けの遅れたレッドジェノヴァがゴール直前で猛追してきたものの、メンバー中上がり最速の3F 34.1で押し切って先頭でゴールした。
レース後、鞍上の川田騎手は「中間は一緒に日々を過ごしていました。サトノダイヤモンドが復活してくれて競馬界もより盛り上がると思います。まずは一つ勝ててホッとしています。レースはダイヤモンドが選ぶ競馬をしようと思っていました。手応えがよく早めに動く形になりましたが、強気に押し切ろうと思いました。ジャパンCまでに状態が戻ってくればと思っていたので、考えていた以上に良くなってきているのが早かったです。今後もこの馬にふさわしい輝きが出せればと思っています」(ラジオNIKKEIより)と、コメント。
献身的にサトノダイヤモンドの調教に毎日付き添った川田騎手には、恐らく、跨がたったそのG1馬の背中から、目標とするジャパンCで勝ち負けできる雰囲気を感じとったに違いない。