「武豊と凱旋門賞へ」ユタカ騎乗率約8割のこだわり馬主が挑む夢舞台! 「超大物」グランダルシュが凱旋門賞1番人気敗退という両親の無念を晴らす!
このような運命的な話に、武豊騎手が心を動かされないはずがなかった。セールで購入したばかりの仔馬のオファーという1年越しの先約となる”無茶ぶり”を「ジョッキーとして本当にありがたい話。騎乗できる日が来るのを楽しみにしています」と快諾。
そして、今年グランダルシュが2歳を迎え、いよいよ”夢”が現実味を帯び始めようとしているのだ。
グランダルシュが入厩を予定しているのは、関西の松永幹夫厩舎。つまりこの春、武豊騎手と共にラニでアメリカ三冠を戦ったコンビである。ラニはすでに来年のドバイ遠征を始め、米ブリーダーズC参戦など、世界を股に掛けて転戦するプランが組まれているが、二人が欧州に遠征するのは「グランダルシュのため」という展開になるかもしれない。
だが、実はこのグランダルシュを人一倍評価している男が、もう一人いる。
それは「とてもキレイな馬で母と似ている」と証言するC.ルメール騎手。なにせ、フランスにいた頃に母サラフィナの主戦を務めていたのだから、息仔のグランダルシュへの思い入れが強くなるのも当然だ。
しかし、「もちろんレースで乗りたいけど、ユタカタケのオーナーだからね(笑)。父は豊が乗っていたし半分半分。1レースごとでも乗せてもらえれば」と武豊を敬愛する前島氏の所有馬となったことで、冗談半分に諦めモードだ。
そういえば、前島氏は昨年のセレクトセールで、グランダルシュと同じく「この馬で凱旋門賞を」と意気込んで購入した馬がもう一頭いる。
その牝馬ながら1億3500万円という高値で取引されたヴィニーは、今年池江泰寿厩舎に入厩し調教師から早くも「厩舎の牝馬No.1」と絶賛され「3歳の秋にはフランスに行きたい」と言われているほどの逸材だ。
ということは、もしも来年の秋に2頭が揃って凱旋門賞に出走することになれば、ヴィニーを武豊騎手にお願いし、グランダルシュでルメール騎手の思いを叶えてあげるのはいかがだろうか。実はヴィニーの母コケレールの主戦もルメール騎手なので逆でもOKだ。