JRA天皇賞・秋(G1)「意外性」キセキに期待大な理由。王道トライアルの中身
レース後、鞍上の川田騎手は「内枠でいいポジションを取れました。他の馬より早めに動かして”スタミナを生かす競馬”をしようと考えていました。これだけのメンバーが揃って1頭だけ58kgを背負っていることを考えれば、よく頑張っています」(ラジオNIKKEIより)と、同馬の頑張りを評価しつつ、天皇賞・秋に向けて手応えを掴んだようだ。
一昨年と比べると勝ち星も大きく減った川田騎手だが、重賞9勝、うちG1は2勝と内容的には充実一途。ダービージョッキーとなって以降、量より質に拘る騎手へと変貌を遂げている。キセキ陣営は意外な戦法で新たな一面を引き出してくれた川田騎手の手腕に驚いたようだ。
毎日王冠後のキセキの近況はというと、1週前の栗東CW・6Fの調教で「83.2 – 67.1 – 52.7 – 38.4 – 11.9」と負荷をかけながら好タイムをマークしており、今週の調教で仕上がってきそうだ。
同馬を管理する辻野助手は「前走はスタートから出す競馬でしたが、ムキにならずに走れてました。大収穫でした。他馬よりも重い斤量を背負ってあの内容なら自信を持って次に進めます。叩いた上積みも大きそうですから」(東スポWebより)とレース後、同馬の復調に大一番でも色気を見せている。
先週の菊花賞のようなスローペースの上がり勝負という展開では分が悪いキセキだが、ハイペースのスピード持続力勝負の展開となった時には、泥んこ馬場で勝利した菊花賞馬のスタミナは活きてくる。
5世代目となった母父ディープインパクト産駒。現状、G1勝ちは菊花賞馬のキセキ一頭のみ。BMSディープインパクト産駒の今後を占う意味でも、出世頭のキセキが中距離戦の秋の天皇賞でも通用するのか興味深いところである。春のスランプを脱出し、毎日王冠で前でも粘れる可能性を見せたキセキ。ハイペースの展開で持久力勝負決着なら好勝負が期待できそうな穴馬の1頭である。