武豊の天皇賞・秋(G1)7勝なるか……マカヒキも脱帽のキタサンブラックら「6勝」。そして「悲運」「不運」を振り返る
週末は第158回天皇賞(秋)、平成最後の天皇賞だ。平成の盾男と呼ばれる武豊騎手は、天皇賞(春)を8勝、天皇賞(秋)を6勝と合わせて14勝もしている。さすがに4000勝ジョッキーに相応しい実績だ。今回は武豊が勝利した天皇賞(秋)の6勝を中心に過去の騎乗馬を振り返ってみたい。
武豊が勝利したのは
1989年 スーパークリーク
1997年 エアグルーヴ
1999年 スペシャルウィーク
2007年 メイショウサムソン
2008年 ウオッカ
2017年 キタサンブラック
の6勝だ。いずれもその時代を代表する名馬だが、順を追って解説していこう。
スーパークリークは武豊が初めてG1レースを勝利(1988年菊花賞)した相棒で、翌年には天皇賞(春)も制し、春秋天皇賞を勝利。イナリワンやオグリキャップといった名馬と競馬を盛り上げ、平成元年の競馬ブームに貢献した名馬だ。同馬が勝利した第100回天皇賞(秋)はオグリキャップ、メジロアルダン、ヤエノムテキ、イナリワン、フレッシュボイスなどが出走。オグリキャップとの叩き合いは天皇賞(秋)屈指の名勝負だ。
1997年のエアグルーヴは、牝馬として17年振りに天皇賞を勝利。前年の天皇賞馬バブルガムフェロー、そしてジェニュイン、ロイヤルタッチ、そして3歳時のサイレンススズカなどに勝利している。最後の直線で名手岡部幸雄騎乗のバブルガムフェローを競り落とした強さは圧巻だった。
1999年のスペシャルウィークは武豊が初めて日本ダービーを勝利した馬。同馬は天皇賞(春)、ジャパンカップも勝利するなど、日本競馬史に残る名馬だ。特にこの天皇賞は、前哨戦の京都大賞典でデビュー以来初めて3着を外す7着に敗退し、レース当日もマイナス16キロと大幅な馬体減、マスコミの評価も低く4番人気に甘んじていた。しかしレースは直線で11頭をごぼう抜き、ステイゴールド、セイウンスカイ、エアジハード、メジロブライトなどに勝利している。