J.モレイラ大絶賛「神騎乗」に武豊複雑……”一歩足りなかった馬”リスグラシューあっさりG1制覇に「元恋人」の哀愁
ただ、この勝利を複雑な心境で受け止めているのは”元恋人”の武豊騎手ではないだろうか。
「2歳のアルテミスS(G3)からコンビを組んで、途中で何度か乗り替わりがあったものの、この春までリスグラシューの主戦騎手務めていたのが武豊騎手でした。このコンビで重賞2勝を上げたものの、肝心のG1であと一歩という競馬が続き、この秋からついにコンビ解消となっていました。それで、この結果ですからね……。
特に16戦して13回馬券に絡んでいる超堅実派リスグラシューが3着以下に敗れたのは、牡馬一線級と走った今年の安田記念(G1)を除けば、オークス(G1)、そして昨年のエリザベス女王杯といずれも2000mを超えるレース。掛かり癖のある難しい馬で関係者からも『距離が課題』という話がありました。
しかし、モレイラ騎手は『調教で1回乗ってみて、距離がどうかと不安に思っている人はいたと思いますが、自分としては距離の心配はありませんでした』とコメント。その言葉通り、最大の課題をあっさりとクリア。実際に今回もレース中に掛かっているような仕草は見られたんですが、モレイラ騎手の手の内に入れられていたようです。矢作調教師も『なんであんなに上手いのか……』と舌を巻いていました」(競馬記者)
無論、今回のレースでデビュー最高体重を更新したようにリスグラシューが、弱点をカバーできるほど充実したという見方もできる。実際にシュヴァルグランや、ジャスタウェイといったハーツクライの代表産駒は古馬になってから本格化。リスグラシューがいよいよ完成の域に達してきた可能性は十分にある。