JRA大野拓弥大躍進はエージェントなしだから? 奮闘の裏側

 現代競馬界では、騎手が成功するか否かは騎乗依頼仲介者「エージェント」の能力次第といわれている。

 その力は拡大の一途をたどり、一部のエージェントは競馬サークル内で絶対的な権力者のごとく君臨しているという。権力の増大を恐れたJRAはさまざまな改革に打って出ているものの、目覚ましい効果があるとは言えないのが実情だ。

 だが、そのような状況下であるにもかかわらず、エージェントをつけることなく躍進を遂げている騎手もいる。美浦所属の大野拓弥騎手もそのひとりだ。

 昨年夏にエージェントとの契約を打ち切った大野騎手。多くの記者や関係者たちから今後の苦戦が囁かれたが、その予想を裏切る大活躍。現時点ですでに昨年の自己ベスト56勝を上回る71勝(12月2日時点)をマーク。戸崎圭太騎手、田辺裕信騎手に次ぐ関東3位、全国12位と自己最高記録を更新し続けている。

「大野騎手がエージェントを外したのは、自分に依頼してくれた関係者や競争馬をすべて把握するためだったといいます。

 ですが、今でこそつつがなく諸々の業務をこなせるようになりましたが、ひとりになった当初は、騎乗依頼をすべて受けてたためにスケジュールに無理が生じ、あわやダブルブッキング寸前になったこともあったといいます。そのため、トラブルを回避するべく余裕を持ってスケジュールを組んでいたものの、今度は確実性を重視するあまり、除外の可能性が高い新馬戦への騎乗を断り続け、関係が深かった調教師から説教を受けたこともあったそうです」(競馬記者)

 このような失敗にもめげることなく大野騎手は地道に各厩舎に営業活動を行い、さまざまな経験を積み重ねた結果、各競走馬の陣営と交流を深めることに成功。今では多くの厩舎関係者たちから応援される存在となっているという。

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