武豊にまたモレイラが見せつける!? 香港ヴァーズ(G1)リスグラシュー、最大の敵は凱旋門賞4着馬?
9日、香港シャティン競馬場の4R、香港ヴァーズ(G1、芝2400メートル)が行われる。日本ではリスグラシュー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)が圧倒的な1番人気になりそうだ。実際にレースを勝てるのか、検討してみよう。
リスグラシューは阪神JFの2着、桜花賞の2着、秋華賞の2着、ヴィクトリアMの2着と、惜しいところでG1タイトルに手が届かなかった。しかし、前走のエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル)でようやく悲願のG1初制覇を達成した。
エリザベス女王杯の戦前「本質はマイラー。距離が長い」という指摘もあった。3歳時、オークス(G1、芝2400メートル)は5着、エリザベス女王杯は8着と、2000メートル超えのレースで結果を出せなかったからだ。しかし、2200メートルのG1を勝った今、香港ヴァーズの2400メートルも問題はないだろう。
父ハーツクライが本格化したのも4歳になってからだ。ハーツクライ産駒も、たとえばジャスタウェイは4歳秋にG1を初制覇した。リスグラシューも4歳になって本格化したと言っていいだろう。これまでのG1レースでの惜敗は能力的に少し足りないところが見られたが、4歳になった今年、そうではないからだ。
ヴィクトリアM(G1、芝1600メートル)では4角13番手から猛然と追い込んだものの勝ち馬にハナ差届かなかった。しかし、勝ち馬との能力差は明らかだった。そしてエリザベス女王杯では他馬が伸びあぐねる中、1頭だけ次元の異なる脚を使った。
エリザベス女王杯後には次走が注目された。香港C(G1、芝2000メートル)、有馬記念(G1、芝2500メートル)という選択肢もあったからだ。矢作調教師が「ヴァーズに行きます」と発表したとき「鞍上は調整中」だった。エリザベス女王杯は鞍上J.モレイラ騎手での勝利だったが、香港ヴァーズでのモレイラ騎手の騎乗はすんなりとは決まらなかったようだ。
11月24日。矢作調教師は「決まりました」と香港ヴァーズでモレイラ騎手の騎乗が決まったことを発表。モレイラ騎手はリスグラシューが香港ヴァーズで勝てると判断したということだ。
父ハーツクライは有馬記念優勝後、ドバイシーマクラシック(G1、芝2400メートル)を制した。ハーツクライ産駒ジャスタウェイも現ドバイターフにあたるドバイデューティフリー(G1、芝1800メートル)を勝っている。シャティン競馬場の芝質はほぼドバイのメイダン競馬場と同じ。これも心強い材料だ。