東京大賞典(G1)「交流重賞の鬼」サウンドトゥルー豪脚復活間近……適性抜群大井で「地方馬」筆頭
12月29日、大井競馬場で開催される東京大賞典(Jpn1、ダート2000メートル)に古豪サウンドトゥルー(セ8歳、船橋・佐藤裕太厩舎)が出走する。今回、その末脚が炸裂するのか検討する。
ダート交流重賞の鬼がサウンドトゥルー。これまで獲得したG1タイトルは2015年の東京大賞典、2016年のチャンピオンズC(G1、ダート1800メートル)、2017年のJBCクラシック(Jpn1、ダート2000メートル)の3つ。毎年、1つのタイトルをものにしてきた。今年、まだタイトルを獲得していないだけに最後のチャンスに賭けたい。
今回、サウンドトゥルーは新たなスタートを切る。11月4日のJBCクラシックまでは美浦・高木登厩舎に所属していたが、11月10日、船橋の佐藤裕太厩舎に転厩したからだ。トラブルなどがあったわけではない。JRA所属のまま9歳になると年齢制限のため南関東へ転厩できなくなってしまうからだ。移籍の際、高木調教師は「残念な気持ちはありますが、馬のためには仕方ない。G1を3つも勝たせてくれた厩舎にとっても思い出深い馬」と語っていた。
サウンドトゥルーの持ち味と言えば誰しも知るところの豪快な追い込み。ペースや展開がはまればアタマに突き抜ける。多少不向きな流れになっても2着、3着には突っ込んでくる。ところが、前走のJBCクラシック(京都開催の1900メートル)は5着だった。8歳の終盤を迎え、加齢による衰えが出てきたのだろうか。レースを振り返ってみよう。
逃げたのはサンライズソア。2、3番手がテイエムジンソクとテーオーエナジー。900メートル通過は55秒3というまずまずの流れ。中団につけていたケイティブレイブが勝負どころで好位に取りつき、直線で抜け出して優勝。ケイティブレイブよりも少し後ろにいたオメガパフュームが差してきて2着。追い込み馬にはきつい展開だったが、末脚が最も目立ったのが4着ノンコノユメと5着サウンドトゥルーだった。
京都競馬場のダート1900メートルは圧倒的に逃げ、先行有利。このレースを見る限りサウンドトゥルーの末脚は健在と言える。ノンコノユメに先着されたのは、サウンドトゥルーの方がいくぶん早目に仕掛けたからだ、また、ケイティブレイブの福永騎手は完璧な騎乗だった。いつものように先に動いて詰めの甘さを露呈していれば、差はもっと縮まったはず。