JRA「悲願」凱旋門賞(G1)アーモンドアイに立ち塞がる「億単位」の壁……日本競馬が50年間「世界の頂点」に立てない理由とは
そもそも何故、日本が50年間も凱旋門賞で勝てないのか。
初挑戦から30年後にエルコンドルパサーが2着した際、日本の競馬界は驚きと歓喜に包まれ、誰もが「世界の頂点まであと少し」と感じたに違いない。しかし、それから20年、ナカヤマフェスタとオルフェーヴルによる3度の2着がありながらも、日本競馬はフランスの頂上決戦で煮え湯を飲まされ続けている。
「仮に凱旋門賞が行われる欧州競馬を『世界の中心』と考えるのなら、ここ何十年の日本競馬はその流れに”逆行”している感がありますね。例えば昨年アーモンドアイが世界レコードを更新したジャパンCの勝ち時計は2:20.6である一方、同じ距離の凱旋門賞はエネイブルの2:29.24。これは昨年末に2500mの有馬記念(G1)を勝ったブラストワンピースの2:32.2の方がむしろ近いタイムです。
その上で年度代表馬となり、誰もが現役最強と認めるアーモンドアイは、いわばディープインパクトが三冠を制した際に言われたような『日本の近代競馬の結晶』。ただ日本競馬が世界に逆行し続けているのなら、それは最も”世界の中心”から遠い存在といえるのかもしれません」(競馬記者)
無論、日本馬が欧州のトップレベルの馬たちに著しく劣っていることはまったくないはずだ。それは日本馬による数々の海外G1制覇や、逆に凱旋門賞馬が跳ね返され続けているジャパンCの歴史を見れば明らか。
「では、何が勝敗を分けているのか」というと、偏にまったく異なる環境で競馬が行われている「適性の差」と述べるほかないのは、多くの識者の共通するところだろう。