JRA「支配者ノーザンと対立」で勝利激減の名調教師……「こだわり」が弊害、しかし”例外”もある
JRAは今や「大ノーザン系時代」。社台グループのトップをひた走るノーザンファーム生産馬が幅を利かせているのが現状だ。昨年はJRAのG1全26競走の内16勝をノーザンファーム生産馬が上げる快進撃。勝利回数は662勝で、2位の社台ファーム(311勝)の倍以上である。
また、馬主リーディングでもいわゆる「ノーザン系」であるサンデーレーシングが152勝でダントツの1位、キャロットファームが117勝で3位につけている。2位のシルクレーシング(118勝)もアーモンドアイ、ブラストワンピースなどを筆頭に活躍馬はノーザンファーム生産が大多数であり、こちらも「ノーザン系」として扱うことができる。つまりは「生産」「オーナー」双方で日本の競馬界を完全に支配しているというわけだ。
日本最高の外厩施設であるノーザンファーム天栄の効果も絶大で、今や「厩舎の力よりも天栄を使っているかどうかのほうが重要」とまで囁かれるほど。その影響力は競馬界全域に及び、ノーザンから認められることが厩舎の預託馬、騎手の騎乗馬にも大きく影響してしまう状況だ。
もちろん、実力主義、勝負の世界で圧倒的な結果を残すノーザンは称えられるべきだろう。ただ「ノーザンの意志に添えることが、ホースマンとしての成功の近道」というのもまた事実。それに異を唱えるのはどうしようもなくタブーだ。
23日に公開された「スポニチアネックス」の記事が話題を呼んでいる。2月に定年を迎える伊藤正徳調教師に関する記事だ。