JRA崖っぷち調教師東西編~的場均・古賀史生・柄崎孝・本間忍ほか~
■石栗 龍彦(美浦)
キャリア21年で通算94勝だから、年間4~5勝が平均勝利数。昨年は3勝にとどまったが、今年はすでに2勝とまさかの活躍。定年まで残り9年、悲願の重賞勝利を達成できるかどうか。とはいえ管理馬は30頭ほどと手駒は少なく、4歳馬も1頭のみと今後の見通しは暗い。
■古賀 史生(美浦)
キャリア32年で513勝、重賞10勝は見事な成績だ。昨年は前年の13勝から4勝へ大幅ダウン。その要因は社台グループ生産馬の大幅な減少だろう。特に以前預託していた、サンデーレーシングなど社台グループ系クラブ馬主は現在ゼロ。定年まで2年とはいえ、これが競馬界の代謝という現実だろう。
■浅野 洋一郎(美浦)
キャリア27年で225勝。2004年以降1桁勝利が続き、8年連続で5勝以下の成績。唯一の重賞は最低14番人気で勝利したアミサイクロンの1996年マーチS(G3)。管理馬は30頭に届かず、唯一の3勝馬ノーモアゲームが厩舎の勝ち頭。他は1勝馬か未勝利だから今後も厳しいところだ。
■本間 忍(美浦)
2016年にブレスジャーニーが開業17年目で初重賞制覇。スワーヴリチャードなどを破っており、一躍クラシック候補にも挙がったが、故障を発症して休養。その休養中に栗東佐々木厩舎へ転厩となり、看板馬はゼロへ。ブレスジャーニー転厩のショックからか、2015年の15勝をピークに12勝→6勝→4勝と厩舎成績も急降下中。
■石毛 善彦(美浦)
キャリア26年で221勝。ここ数年は年間1~7勝で推移しており、かつての勢いはない。重賞実績もなく、厩舎の稼ぎ頭トップ3は11歳のユキノアイオロスを筆頭に7歳と9歳馬と高齢馬が続くから深刻だ。管理馬は40頭未満で社台グループの生産馬や大手クラブ馬主の預託もゼロ。管理馬の3分の1はミルファームの馬で、このオーナーの管理馬が今後の浮上のカギを握りそうだ。
以上、関東所属の崖っぷち調教師をまとめたが、せっかくなので関西所属調教師もまとめておこう。ただし、関西調教師は関東の調教師と比べ総じて優秀だ。その中で、あえて挙げるなら服部利之調教師か。キャリア22年で180勝、現在4年連続で1桁勝利と伸び悩み中。勝ち頭トラキチシャチョウは8歳馬で、その他の馬も成績を見ると将来性に乏しいところ。ただしシゲルの森中蕃オーナー、ニホンピロの小林百太郎オーナーなど、アンチ社台グループ系大物阪神馬主と太いパイプがあり、預託馬には困らなそうだ。