JRA弥生賞(G2)「穴に一考」ブレイキングドーン。福永祐一、陣営の「選択」は
3月3日に行われる弥生賞(G2、芝2000メートル)に重賞2着の実績があるブレイキングドーン(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)が出走する。馬券になってくれる伏兵なのだろうか。
ブレイキングドーンの戦歴を振り返るとき、まず注目すべきは新馬戦。昨年6月、阪神競馬場で早々とデビュー戦を迎えた。レースではいいスタートを切って、逃げるモサの2番手につける。かかっているわけではないが前向きな走りで、いつでも前を交わせる勢い。鞍上の福永祐一騎手は4コーナー手前からスパートを開始、先頭に立つとそのまま押し切った。
なんと単勝オッズ50.6倍だった。1番人気はセレクトセールで約2億円で落札されたホウオウライジン。ディープインパクトやレイデオロの近親だ。2番人気はジャスタウェイの初年度産駒の中でかなり高く評価されていたアドマイヤジャスタ。2着に上がってきたのはアドマイヤジャスタだったが、後のホープフルS(G1、芝2000メートル)で2着となる馬に3馬身差をつけた。
2戦目に選択したのが10月、京都の萩S(オープン、芝1800メートル)。果敢にも超大物と評判の高いサートゥルナーリアとの対戦に挑んだが、放馬してしまい競走除外。実質的な2戦目として11月の京都2歳S(G3、芝2000メートル)で重賞に挑戦した。直線では鞍上J.モレイラ騎手の1番人気クラージュゲリエとの叩き合いとなったが、半馬身差の2着に敗れた。福永騎手は「トップクラスでやれるメドも十分立ったと思います」とコメント。馬の将来性に期待した。
陣営はブレイキングドーンを高く評価。次走に暮れのホープフルSを選択。萩Sでお流れになったサートゥルナーリアとの対決が実現した。中竹和也調教師は「能力は高いと感じている」と語り、福永騎手も「いい方向に成長している。一瞬の切れというより、長くいい脚を使えるタイプ。パワーもある」とG1でもやれる自信をのぞかせた。
レースでは福永騎手は1番人気のサートゥルナーリアと2番人気のアドマイヤジャスタの後ろを確保。4コーナーでアドマイヤジャスタに並びかけるが、直線に向いても差はなかなか詰まらない。両頭の間をサートゥルナーリアが強引に割ってきたときブレイキングドーンは力尽きて5着に敗れた。サートゥルナーリアはもとより、新馬戦で3馬身差をつけたアドマイヤジャスタにも歯が立たなかった。
ホープフルSのレース振りを見れば切れがないのは明らかだ。しかし、京都2歳Sでもここでも4コーナーでは先頭に並びかけている。高いスピード能力がなければできることではない。もちろん、新馬戦は2番手からの競馬で圧勝している。ただし、そのスピード能力はパワーが要求される持続力勝負でこそ発揮されるということだ。実際、新馬戦は力のいる稍重だった。