JRAシュヴァルグランに好機到来!「天」はエネイブルを見放す!? 歴史的メンバー「キングジョージ(G1)」で日本代表好走の余地十分な理由
前述の通り、今年はまさに世界最高のメンバーが激突する一戦だが、シュヴァルグランもまた一昨年のジャパンCを制し、他でもG1好走歴は十分。昨年の有馬記念は3着、今年のドバイシーマクラシックは2着と、7歳にしてその実力は落ちていないという印象だ。
無論、さすがに「全盛期」の力はないという意見もある。ただ、馬主の佐々木主浩氏や友道調教師は今年「海外での連戦」を早々に視野に入れていた。まだまだ戦える、そう判断しての現役続行と挑戦なのだ。
大いなる夢への出陣となるシュヴァルグランだが、いうまでもなく厳しい戦いが予想される。しかし、今年は「天」が味方しているという話も。
「開催されるロンドンは現在、異例の『熱波』に襲われており、25日には気温40度を記録。このままの状況が続けば、レース当日は『乾燥した固い馬場』、つまりは『高速馬場』になる可能性がかなり高いです。昨年ポエッツワードが乾いた馬場で制した同レースのタイムが2:25.84、一昨年の荒れた馬場でエネイブルが制したタイムが2:36.22と、この2年だけでも10秒以上時計に差があります。これも欧州の馬場ならではといえるところです。
これまで、2分30秒ほどの時計がかかる馬場を中心に圧倒的なパフォーマンスを示してきたエネイブルとしては、あくまで『経験値』という側面では歓迎できない条件といえるかもしれません。他の多くの出走馬もそれは同じですし、『暑さ』も気になるところです。
その点でいえば、気候的には温暖多湿な国で競走をこなし『高速馬場がむしろ本筋』の日本でレースをしてきたシュヴァルグランには、少なからず『追い風』と捉えることもできます。無論それだけで好走できるとは限りませんし、人気の一角クリスタルオーシャン陣営は『高速馬場歓迎』を明言していますが、それでも『悪くないお膳立て』にはなっている気がします」(現地に詳しい記者)