【徹底考察】神戸新聞杯(G2) サトノダイヤモンド「今春の『最強世代No.1ホース』は何故、日本ダービーで敗れたのか。最後の最後で見せた原因不明の『斜行』を見極める」
その影響は馬によって様々であり、ドバイシーマクラシック(G1)のドゥラメンテのように不甲斐ない敗戦を喫することもあれば、先日のニエル賞(G2)のマカヒキのように能力でねじ伏せてしまう場合もある。従って、サトノダイヤモンドの落鉄に関しても「グレー」という結論を出す他ない。
最後にもう一つの可能性として、サトノダイヤモンドにはもともと「もたれ癖」があるということだ。実際に今春の本馬はレースでこそ行儀良かったが、調教では随所にもたれる場面があった。もしかしたら、その癖がレースでも出てしまったのかもしれない。ちなみに管理する池江調教師によれば、ひと夏を越して「もたれ癖」は解消しつつあるらしい。
絶対能力が極めて高いため、同世代の阪神外回り2400mで不安要素を並べる方が難しい。その能力を全開すれば勝ち負けは必至だが、今回は勝ち負けよりも「最後の直線をまっすぐ駆け抜けるか」を最大の焦点にしたい。その原因究明は菊花賞を始め、今後の本馬の歩むレースの参考になるはずだ。
(監修=下田照雄(栗東担当))