笹田厩舎はエアスピネルだけじゃない!『BIG5』の成長力を上回る「覚醒」レッドエルディストが3歳牡馬の勢力図を塗り替える!
「まさか、レッド(エルディスト)が先着するとは……」
レッドエルディストを管理する笹田和秀調教師が驚くのも無理はなかった。相手は史上最強世代を牽引する『BIG5』の一角エアスピネルである。それもエアスピネルは調教駆けすることで有名でデビュー以来、併せ馬ではほぼ負け知らずの存在だ。
神戸新聞杯(G2)の1週前追い切りが行なわれた14日のことだった。エアスピネルに武豊、レッドエルディストに四位洋文と、それぞれの主戦騎手が騎乗する半ば”本番モード”で行なわれた追い切りで、大方の予想を反してレッドエルディストが1馬身の先着を果たした。
「てっきりエアスピネルが先着するものと思っていたのに、レッドが先着したからね。ちょっとビックリした。エアに先着するということは、ひと夏を越して馬がそれだけ力をつけてきたということなんだろう」
そう笹田調教師が判断したように、攻め駆けするエアスピネルに先着したとあってレッドエルディストの急激な成長がうかがえる一幕だった。
今春は青葉賞(G2)2着でダービー切符を掴むも、本番で9着。これだけを見ると如何にも格下に見えてしまう。だが、まだまだ成長半ばだったレッドエルディストは、春の時点から非凡な潜在能力の高さを見せつけていた。
特筆すべきは、3月27日に中京で行なわれた大寒桜賞(500万下)での走りだ。