JRA横山典弘躍動の裏で「関東騎手お寒い冬」戸崎・三浦なしでも勝てない中堅・若手の深刻度
現在騎手リーディングはO.マーフィー騎手が20勝を挙げてトップ。1勝差の2位に川田将雅騎手、3位タイにはC.ルメール騎手、武豊騎手がランクイン。その後、10勝の松山弘平騎手、9勝の幸英明騎手らが続く。
昨年同様、“新春マーフィー旋風”が吹き荒れ、さらに上位陣はおなじみの栗東所属の騎手たちがズラリと並ぶ。今年も美浦勢は苦戦しているようだが、その中で存在感を放っているのが、ベテラン・横山典弘騎手だ。
出走数は37回と上位陣の中でもひときわ少ないものの、今年はすでに8勝を挙げ、勝率は21.6%、連対率32.4%、複勝率45.9%と高い数字をキープ。美浦では2位、全国リーディングでも8位に食い込んでいる。
「2番人気に支持されたミッキースワローのAJCC(G2)こそ4着に終わったものの、全体的に好調ですね。また全8勝のうち、ノーザンファーム生産馬はゼロ。JRAの影の支配者と言っても過言ではないノーザンファームのバックアップを、あまり受けることなくこの成績を収めているのはさすがのひとことです。
12日の初咲賞(2勝クラス)では騎乗したウィナーポイントで、集団から『ポツン』と離れて追走しながらも3着に入るなどの“らしさ”も見せてくれています。これからもいぶし銀の騎乗に期待したいですね」(競馬誌ライター)
スポット参戦のマーフィー騎手を除くと、大ベテランがひとり気を吐いている形となっている美浦勢。中堅騎手や若手騎手の奮起に期待したいところだが……。
「美浦で横山典騎手に続く日本人騎手は、5勝の横山武史騎手、大野拓弥騎手、4勝を挙げている石橋脩騎手、吉田隼人騎手、吉田豊騎手、そして3勝の田辺裕信騎手、藤田菜七子騎手らです。彼らはいずれも横山典騎手よりも騎乗機会も多いため、もう少し頑張ってほしいところ。
現在、美浦の上位常連の戸崎圭太騎手と三浦皇成騎手は、故障のため戦線離脱中。それだけにここで目立った結果を残すことができれば、馬主たちの覚えも良くなり、今後の飛躍にもつながるはずなのですが、なかなかうまくはいかないようですね」(競馬記者)
戸崎騎手、三浦騎手という美浦の両巨塔が不在のこのときこそ、燻っている若手や中堅騎手は名を売るチャンスハズだが……。長らく叫ばれている騎手の西高東低はまだまだ続きそうだ。