アンビシャス、鍵を握る毎日王冠(G2)での「前・後」 世代屈指の末脚を有するも、一番心配なのはC.ルメール騎手の「前科」と「意気消沈」か……
ここ2走のアンビシャスは2番手、そして3番手と「先行」の競馬を見せているが、その大阪杯と宝塚記念で結果は真逆だ。もちろんメンバーのレベルにもよるが、大阪杯では1000m通過が61.1とスローペースで1着。宝塚記念が稍重ながら59.1というハイペースで16着と、結果がはっきり分かれている。特に大阪杯が前半3ハロン「12.8 – 11.5 – 12.5」に対し、宝塚記念が「12.6 – 11.0 – 11.1」だ。今回は距離が短い分バテる可能性は薄いが、粘り込む脚質ではないだけに先行するならペースはなるべくスローに収まってほしいところだろう。
鋭い末脚を後方から繰り出すレースに関してだが、これまで後方一気のキレ味に懸けたレースの多くは「出遅れ」によるもので、あれが本来のアンビシャスの走りなのかは疑問が残る。同じディープインパクト×エルコンドルパサーの配合であれば宝塚記念を制したマリアライトがそうだが、この馬はキレという馬ではない。本質的には先行をしたほうが、大阪杯のように鮮やかな勝利ができるのかもしれない。
ただ、今回久々にアンビシャスと組むC.ルメール騎手は、過去この馬の乗った4レースの内2戦で出遅れているという不安要素が……。凱旋門賞の惨敗もあって意気消沈していないか心配な部分も。またスタートで「やらかす」可能性も否定はできない。後方からの競馬になることも頭に入れておくべきだろう。
今回の出走馬で前に行きたがりそうなのは、マイネルミラノ、ウインフルブルーム、そして今春の安田記念を1000m通過「59.1」というマイルとしては相当なスローペースで走って勝利したロゴタイプあたりか。どの馬もハイペースで飛ばすタイプではなく、案外落ち着いたレースとなるかもしれない。