「有馬記念後の競馬開催」と「ホープフルSのG1昇格」は既定路線……ファンの声だけなく、現状のルールまで無視した「JRA」の強引な決定に「G1価値低下」が止まらない
以前にも『「有馬記念のあとに競馬は必要か」ホープフルSのG1昇格に伴い毎年の「大トリ」が2歳G1に……競馬の季節感を無視し、ファンの声を無視したJRAの「迷走」はどこへ(リンク)』でこの問題を取り上げたが、もはや「迷走」ではなく「暴走」と述べても過言ではない。
競馬が有馬記念後の12月28日に行われる意義に関しては、前回で語ったので割愛させていただくが、「ホープフルSのG1昇格」への強引なやり方はさすがに看過できない。
以前、JRAは大阪杯のG1昇格を発表した際、その理由として「G1昇格の基準である、近3年のレーティング平均115をクリアしている」と述べている。確かに毎年のように強豪馬が集い、今年もキタサンブラックやラブリーデイなどのG1馬が多数参戦しているレースだけに異論はない。
しかし、ホープフルSに関してG1昇格の基準である「レーティング問題」はどう判断するつもりなのだろうかと疑問に思っていたのだが、JRAが出した答えは「今年の出走馬が規定のレーティングを満たせば、17年度から(G1昇格を)施行する」といったものだった。
まず大前提として、すでに朝日杯フューチュリティS(G1)がありながら、その2週間後に2歳G1を設立する意味があるのか。そして、ファンがそれを望んでいるのかという疑念がある。
百歩譲って、仮にホープフルSのG1昇格が多くの人々に求められているものだとしても、JRAが何故、その施行を”急ぐ”必要があるのかは甚だ疑問だ。
大阪杯のG1昇格を近3年間のレーティングで決定したにもかかわらず、ホープフルSは何故か今年1年のレーティングだけでG1昇格が決定しようとしているが、その理由は明らかにされてない。
さらにJRAがこの時期に、上記の決定を明らかにしてしまうところが、如何にも「巧妙」と述べざるを得ないのだ。