【徹底考察】菊花賞(G1) レインボーライン「マイル王モーリスを追い詰めた最大の『惑星』福永祐一が絶賛した札幌記念の内容から『真価』に迫る」
『考察』
まさに『史上最強世代』と呼ばれる今年の3歳の層の厚さを見せつけたような前走だった。
8月の札幌記念(G2)でレインボーラインは果敢に古馬の壁に挑戦。それもマイル王モーリスらが迎え撃つ錚々たるメンバーだった。
雨の中、稍重発表で行なわれた札幌記念だったが、馬場は発表以上に重そうに見えた。大きな出遅れもなく各馬が揃ってスタート。ハナを切ろうとしたマイネルフロストを制して、外からネオリアリズムがペースの主導権を奪う。モーリスはちょうど中団の辺り、それを見るような形でレインボーラインが続いた。
ネオリアリズムが引っ張るペースは1000mの通過が59.9秒。馬場コンディション、そして同日同距離の500万下の1000mの通過が61.1秒だったことを考慮すると、やはりハイレベルなG2戦らしい締まったペースだといえる。
レースが大きく動いたのは3、4コーナーの中間辺り。中団を進んでいたモーリスが満を持す感じで外から先頭を捕らえに掛かると、真後ろにいたレインボーラインもそれに反応。しかし、レインボーラインがコーナーでやや膨らんだ隙にモーリスが大きく前に出る。
残り200mのところで2番手以下を交わし切ったモーリスだったが、先頭を逃げるネオリアリズムが止まらない。大勢が決した辺りで一杯になったモーリスにレインボーラインが強襲。最後はクビ差まで詰め寄ったが、交わし切ることはできなかった。
「頑張ってくれました。このタフな流れ、馬場、強い相手でもよく走ってくれました。乗った感じも春より良くなっていますし、これからもっと強くなるでしょう。この馬が変わるキッカケになるレースになるかもしれません」
レインボーラインの鞍上だった福永祐一騎手が、ここまで手放しに称賛するのも当然か。結果は3着だったもののマイル王モーリスを追い詰めた一方で、ヌーヴォレコルトやヤマカツエースといった古馬の強豪には先着。
また、上位陣で後ろからの競馬だったのはこの馬とモーリスだけである。