【徹底考察】菊花賞(G1) レインボーライン「マイル王モーリスを追い詰めた最大の『惑星』福永祐一が絶賛した札幌記念の内容から『真価』に迫る」
すでにアーリントンC(G3)で重賞勝ちがあるとはいえ、NHKマイルC(G1)では12番人気、日本ダービーでも12番人気だったレインボーラインの評価が一気に上がったレースだった。
【血統診断】
ステイゴールド×フレンチデピュティという配合は、本馬の他に目立った活躍馬はいない。全兄のドラゴンレジェンドは主に芝の中距離を主戦場としており、菊花賞を目指してセントライト記念にも出走したが、12着に大敗してG1挑戦の道を絶たれている。本馬を計る上で指針にはなるが、両者の能力に差があるためあくまで目安程度だ。
また、ステイゴールド×フレンチデピュティ系という範囲まで広げれば、フローラSで2着してオークスでも3着したアイスフォーリス(母父クロフネ)が該当する。その後も2000m前後を中心に活躍したアイスフォーリス。なかなか勝ち切れない馬だったが、牝馬の中ではスタミナに優れた存在だった。
さらにレインボーラインの血統表の2列目に「サンデーサイレンス、ゴールデンサッシュ、フレンチデピュティ」が並んでいるが、これは昨年のジャパンCを制したショウナンパンドラと同じ。つまりは3/4の同血ということになる。そういった意味でもレインボーラインの血統には、イメージ以上にスタミナの要素がありそうだ。
ショウナンパンドラとはリファール系アルザオと、ノーザンテースト系のレインボーアンバーとの違いはあるが、むしろレインボーラインが持つ後者の血の方がスタミナ的には優れている。レインボーアンバーの父アンバーシャダイの代表産駒は菊花賞で3着したメジロライアンであり、そこから天皇賞・春を制したメジロブライトに繋がっている。
従って、京都の3000mは決してベストではないものの、血統的にはこなせるだけの可能性は秘めているといえる。またNHKマイルCで先着を許したロードクエストに、日本ダービーで逆転している結果をみると、将来的にはマイルではなく2000m前後で良績を残していても何も不思議ではない。
ただし、肝心の能力に関しては疑問符が付く。