【徹底考察】菊花賞(G1) サトノダイヤモンド「まさかの辛勝だった神戸新聞杯を徹底解剖。無冠の大器はC.ルメールの手腕で『淀の長丁場』を乗り越えられるのか」

サトノダイヤモンド(競馬つらつらより)

『考察』

 皐月賞(G1)で1番人気、日本ダービー(G1)でも2番人気に推されながら、まさかの無冠で春シーズンを終えたサトノダイヤモンド。

 もうこれ以上の負けが許されない秋を迎えたが、初戦の神戸新聞杯(G2)では単勝1.2倍に推されながらも、最後までミッキーロケットに食い下がられてクビ差の辛勝だった。

 管理する池江泰寿調教師は「地球を1周しても(着差は)変わらない」と笑い飛ばしたが、師に似合わない”感情的な言葉”が逆に危機感を覚えさせる。まずは前走の神戸新聞杯を振り返ってみたい。

 良馬場で行なわれた神戸新聞杯。サトノダイヤモンドの単勝は1.2倍、2番人気のエアスピネルが6.7倍だったことからも、まさに一本被りの人気だったことがわかる。

 イモータルが遅れたが、他は各馬揃った順調なスタート。外から2頭目の発馬となったサトノダイヤモンドもまずまずのスタートを切って進路確保すると、無理せず中団へ。それを見るようにして、大外からスタートしたミッキーロケットが続いた。

 ハナを切ったロードヴァンドールが後続を離しながら逃げていたものの、1000m通過は61.4秒。前のレースのムーンライトハンデ(芝2000m、1600万下)の1000m通過が59.6秒であり、2番手の馬が2着に粘っていることからも、やはりペースは遅い。

 ただし、ここから”直線のヨーイドン”にならないところが、この世代がハイレベルと言われる所以か。

 ペースが急激に上がったのが、残り800mを切った辺りから。見た目に大きな動きはないが、この時点ですでに残り800mから600mが11.6秒。軽快に逃げていたロードヴァンドールが、あっという間に馬群に飲み込まれている。

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