ライバルに完敗したディーマジェスティに足りなかったものは「執念」か。過去に菊の大輪を手にした関東馬の「菊花賞攻略法」とは
ラスト800mのハロンを通過し、京都競馬場の名物「淀の坂」の下りに入った時、ディーマジェスティの鞍上・蛯名正義騎手は「二冠」を意識したのではないだろうか。
23日に行なわれた菊花賞(G1)。勝負所で動き出した最大のライバル・サトノダイヤモンドに、外から馬体を併せにいったディーマジェスティ。
この僅か数秒後、一体どちらが菊の大輪を手にしているか定かではなかったが、少なくともこの瞬間までのディーマジェスティのレース運びはほぼ完璧だったように思える。最終コーナーで2頭が並んだ時は、誰もがここから始まる「2強」の壮絶な叩き合いを想像したはずだ。
しかし、その後に待っていたのは明と暗。サトノダイヤモンドの最強を証明するような圧巻の走りと、いつもの伸びを欠いて苦しむディーマジェスティの姿だった。
最大のライバルを前に、ほぼ何もできなった。勝ち馬に2馬身以上突き放された上に、レインボーラインやエアスピネルにも先着を許し、2着さえ守れなかった。ディーマジェスティにとって、お互いに不利があった日本ダービー(G1)を超える、文句のつけようのない「完敗」である。