ライバルに完敗したディーマジェスティに足りなかったものは「執念」か。過去に菊の大輪を手にした関東馬の「菊花賞攻略法」とは
記録上は、どちらも関東の菊花賞トライアル・セントライト記念(G2)から菊花賞に向かっているが、夏の上がり馬だったマンハッタンカフェはセントライト記念で4着に敗れており優先出走権を逃している。当時、まだ1000万下を勝っただけだった。
無論、今年も1000万下を勝っただけの馬が菊花賞に何頭も出走しているだけに、マンハッタンカフェが優先出走権を逃したからといって、決して出られないことが確定していたわけではない。むしろ、出られる可能性の方が高かっただろう。
しかし、マンハッタンカフェの陣営は菊花賞に出られるのかが不透明な状況ながら、早めの栗東入りを敢行。京都競馬場に程近い栗東で調整を重ねることによって、美浦からの直前輸送のリスクを排除したのだ。
結果的に菊花賞への出走が叶ったマンハッタンカフェは、見事クラシック最後の一冠を制し、年末にも有馬記念(G1)を制覇している。
ちなみに競馬が「西高東低」となった1990年以降、関東馬で菊花賞を制した馬はマンハッタンカフェを含めて4頭。26年間で、わずか4頭である。
しかも、その内の1頭となる1991年のレオダーバンに至っては、菊花賞の前哨戦の段階から栗東入り。当時、美浦に坂路コースがなかったということもあって、菊花賞を勝つために栗東の坂路で入念に乗り込んだという。