JRA 「ルメール天下継続」、レーン&川田将雅「G1不振」「名馬&名オーナー死去」コロナ感染対策「造反騎手」【JRA春競馬ネガティブ総括】
前編は、この半年の間に競馬界で起こったポジティブな出来事を、下手の横好きライター「A」と、当サイトの酔いどれデスク「Y」が徒然なるままに話した。その後編にあたる今回は、ふたりが【ネガティブ】に思った出来事を中心に展開していく。
デスク「Y」:とりあえず、コロナの話題からは離れよう。あれ一色になっちゃうし。今年も初旬はO.マーフィー騎手の独壇場だったね。約1カ月で27勝を挙げて、長期間に渡って美浦のリーディングのトップに君臨した。
ライター「A」:美浦のトップである戸崎圭太騎手が故障で戦線離脱。そして1月5日に三浦皇成騎手も若手・大塚海渡騎手の斜行が原因で落馬し、戦列を離れたのが痛かったですね。このツートップが不在ということもあって、横山武史騎手が5月3日に並ぶまで、すでに日本にいないマーフィー騎手が美浦のリーディングトップという異様な状況が続いていました。
デスク「Y」:もうちょっと美浦の騎手にも頑張ってもらいたいよねぇ。現時点でリーディングトップ10のうち美浦の騎手はともに39勝を挙げている吉田隼人騎手、横山武騎手のふたり。このふたりの勝ち星を足してもトップにいるC.ルメール騎手、2位の川田将雅騎手には届かないんだもん。西高東低すぎるって!
ライター「A」:ただその栗東勢もルメール騎手ら外国人騎手には、太刀打ちできないんですよね。川田騎手も昨年は10月まで首位の座を守っていましたけど、今年はすでに首位陥落。また春のG1で有力馬に騎乗を続けるも、安田記念(G1)で6番人気6着だったアドマイヤマーズ以外は、いずれも着順が人気を下回り、馬券圏内もナシ。
デスク「Y」:“ルメール天下”は終わらないもんだねぇ。昨年の春は、重賞に14回出走して、7勝。うちG1競走も3勝を挙げるなど大活躍したD.レーン騎手がその地位を脅かすかと思ったけど、今年は現時点で重賞に13回騎乗して2勝止まり。G1もサリオスでの皐月賞、日本ダービーの2連続2着があるだけであとは馬券圏外。短期間しかいない割には立派な成績だと思うんだけど、ルメ様と比べるとやっぱり見劣りしちゃう。
ライター「A」:昨年、ブレイクを果たした北村友一騎手もリーディングの上位争いに食い込んでくるかと思いきや、今年は嘘のように低迷。2歳女王レシステンシア、スプリントの有力馬ダイアトニックなど、次々にお手馬を失ってしまいました。
デスク「Y」:それだけにクロノジェネシスで宝塚記念(G1)を勝てたのは大きかった。もし負けていたら乗り替わりもあっただろうし、低迷に拍車がかかること間違いナシって感じだったもの。ここからなんとか巻き返してもらいたいもんだ。
ライター「A」:また北村友騎手が降板したレシステンシアは、桜花賞→NHKマイルCというローテで使われてともに2着だった後に骨折が判明。さらに弥生賞(G2)をレコード勝ちしたオーソリティも故障しています。今年も『高速馬場=故障の遠因』との疑惑が再浮上しましたね。
デスク「Y」:JRAは一貫して馬場との関係性を否定しているね。秋からは競走馬が走行時に芝馬場に着地した衝撃を受け止める際の反発具合を数値化した「芝馬場のクッション値」も公表することにしたようだ。これで認識が改められることになるかも。
◆天に召された名馬&名オーナー
ライター「A」:昨年、オジュウチョウサンに替わって、JRA最優秀障害馬に輝いたシングンマイケルが、中山グランドジャンプ(G1)で最終障害を飛越した際にバランスを崩し、前のめりに転倒して競走中止。その後頚椎関節脱臼が判明し、この世を去ることになりました。
デスク「Y」:最強ハードラー・オジュウチョウサンに、唯一匹敵する能力を持つ存在と見られていただけに非常に残念だった。それに今年2月にはシングンマイケルを管理していた高市圭二調教師が他界したばかり。このシングンマイケルは伊坂重憲オーナーと高市調教師の「執念」が生み出した結晶とも呼ばれていた。残された伊坂オーナーの気持ちたるや……。
ライター「A」:また2年連続でJRA賞最優秀短距離馬に輝いたダイワメジャー、名牝ウオッカと熾烈な争いを繰り広げたダイワスカーレットなどを所有していた、大城敬三オーナーも6月に死去しています。
内田博幸騎手のダイワキャグニーがエプソムC(G3)は勝利しましたが、その一報を聞く前に天国に召されていたそうです。
デスク「Y」:短い期間ではあったものの、オーナーとしても活躍していた志村けんさんも亡くなっている。寂しい限りだ。競馬ファンとして改めてご冥福をお祈りします。