エリザベス女王杯(G1)は覚醒した「未完の大器」クイーンズリングが戴冠!出遅れながらも驚異の末脚で新女王に輝く!
向正面に入ってもペースは上がらず、1000mの通過は61.8秒。稍重だった昨年の60.7秒よりも1秒以上遅いペース。レースは完全に前が有利の瞬発力勝負の様相を呈していた。
各馬のペースが上がり20馬身ほど開いていた馬群が凝縮されたのは、3コーナーの下り坂を越えてから。最後の直線に入っても、逃げていたプリメラアスールが1馬身差で先頭。この馬が14番人気の大穴だけあって、如何に楽なペースだったのかがわかる。
そこに2番手から脱落したメイショウマンボを交わして、シングウィズジョイとパールコードが逃げ馬に襲い掛かる。ペースが上がった際に、まったくついて行けなかったマリアライトはすでに脱落し、中団からクイーンズリングとミッキークイーンが叩き合う感じで鋭く伸びてきた。
残り200mを切って逃げ粘るプリメラアスールを交わして先頭に出たのが、シングウィズジョイだった。この時、多くの人がこの馬の鞍上がC.ルメール騎手だったことに気付いて青ざめたに違いない。
だが、これで決まったかと思われた直後、馬群を縫ってきたクイーンズリングが猛烈な勢いでシングウィズジョイを捉えきってゴール。最後は大舞台に滅法強いデムーロ騎手が、完璧な競馬をしたルメール騎手を捉えきるという、今や”お馴染み”となった光景だった。