【徹底考察】マイルCS(G1) サトノアラジン「ついに来たキャリア最大のチャンス!ただし、戴冠には『あの馬』のアシストが欲しい」
馬群のさばきに手間取るフィエロを残り200mを切った時点で交わしているサトノアラジン。そのまま勢いは衰えることなく、全馬を飲み込んでゴールした。
出遅れ気味にスタートを切りながらも、大外から突き抜けた豪快な競馬は「強い」の一言。ラスト600mの33.6秒は、最後方から直線にすべてを懸けたティーハーフのそれを上回っており、上がり3位のサトノルパンとは0.5秒差をつける圧倒的な末脚だった。
【血統診断】
ディープインパクト×ストームキャットという配合は、数多くの有力馬を輩出しているディープインパクト産駒の中でも代表的なニックス配合となる。
この秋の天皇賞で2着したリアルスティール、日本ダービーを勝ったキズナやエリザベス女王杯を勝った全姉のラキシス、フランスのイスパーン賞を勝ったエイシンヒカリなど活躍馬は多岐にわたる。
また、この配合の成功例には、母系に重厚なヨーロッパの血が入っている共通項があり、先述した4頭に加え、桜花賞馬のアユサンも同様の傾向持っている。その上で本馬もまた、母方にニジンスキーの血を持っていることからもディープインパクト×ストームキャットの成功パターンに該当しているといえる。
戦績だけを見るといかにも奥手のイメージだが、2歳時から高い素質の片鱗は見せていた。したがって古馬になってからの戦績の安定は成長分もあるが、何より適距離が見つかったということの方が大きいだろう。