【徹底考察】マイルCS(G1) サトノアラジン「ついに来たキャリア最大のチャンス!ただし、戴冠には『あの馬』のアシストが欲しい」
だが、看過できないのが昨年のマイルCSの内容だ。
このレースの鞍上はC.ルメール騎手だったが、道中は中団のインコースでしっかりと脚を溜め、直線でも進路を探しながらスムーズに外に持ち出す競馬。全体的に大きな欠点はなく、率直に述べて力負けだった。
何故、こうなったのか。G1を勝てるか否かという高いレベルで単純に力が足りないともいえるが、下記をご覧いただきたい。
16年 スワンS
12.3 – 10.6 – 11.5 – 11.8 – 11.3 – 11.4 – 11.8
15年 マイルCS
12.6 – 10.9 – 11.1 – 12.5 – 11.9 – 11.1 – 11.5 – 11.2
上記はサトノアラジンが勝利した今年のスワンSと、4着に敗れた昨年のマイルCSの全体ラップである。同じ京都の外回りということでこの2レースを採用した。
その上で注目して頂きたいのが、ラスト600mのラップの「バランス」だ。
1ハロン目が最も速いという共通点はあるが、スワンSでは最後の200mが最も時計が掛かっており、逆にマイルCSはラストで再び速くなっている。言い換えれば、最後が全体的に遅くなればサトノアラジンの末脚はきっちり届いているが、逆に最後にもう一度速くなった場合は届かなかったということだ。
その上で何故、15年のマイルCSのようなラップが起きるのかと述べると、これは先頭を走っていた馬が最後にもう一度加速したのではなく、先頭が「勢いのある差し馬に入れ替わっている」からだ。