「迷惑をかけて申し訳ない」マイルCS(G1)はミッキーアイルが乾坤一擲の逃げ切り!稀代の逃亡者が約2年半ぶりの美酒に酔うも浜中俊騎手は騎乗停止
確かに、勝利騎手インタビューで浜中騎手が開口一番「審議の内容は僕の直線の斜行。大きな迷惑をかけて申し訳ない」と神妙な面持ちで述べたように、決して後味の良いレースではなかった。浜中騎手が騎乗停止処分を受けているだけに、今回の結果に納得できないファンも少なくないはずだ。
だが、JRAの審議が導き出したのは「例え不利がなかったとしても、着順の入れ替わりはなかった」という結論。現行のルールでは、これは降着には値しない。
結局、勝ったミッキーアイルの上がり3ハロンは35.6秒。2着のイスラボニータが35.0秒。最速でもガルバルディの34.6秒。これは1つ前に芝1800mで行なわれた10Rの上がり最速が33.1秒だったことからも、今年のマイルCSが如何に持続力勝負だったのかがわかる。
そして、ミッキーアイルの最大の勝因はその激流を自らが作ったことだ。
おそらく、これでミッキーアイルの「自分探しの旅」は、終着駅にたどり着いたのではないだろうか。この物語を「回り道」と評する人もいるだろうが、人生も馬生も人間万事塞翁が馬なのかもしれない。