あまりにも中身のない「日本vs世界」……日本最大の国際レース・ジャパンC(G1)が「消滅」する可能性は確かに存在している
そうして、ジャパンCは「世界の主流」から後退したということだ。
本来、日本馬を世界で戦えるレベルに引き上げるために創設されたジャパンCだが、今やその日本馬のレベルが高すぎるために外国馬の敬遠の対象となっているのは、なんとも皮肉な話であり、これこそがジャパンCが直面している「負のスパイラル」である。
今後も瞬間的な改善(例えば日本人が権利を買った凱旋門賞馬が、お披露目ついでにジャパンCに出走するなど)があるかもしれないが、抜本的にジャパンCの世界的な価値が向上する可能性は限りなく低いと述べざるを得ず、背景にある「負のスパイラル」はあまりにも致命的だ。
「致命的」とは如何にも大袈裟だが、実際にジャパンCダート(G1)はチャンピンオンズC(G1)に名を変えて、国際レースとして半ば死んでいるような状態。今年も外国馬の出走はない。
あまり想像したくないことだが、実際にジャパンCがその存在意義を失って消滅する可能性は確かに存在しているのだ。
(文=浅井宗次郎)