【徹底考察】ジャパンC(G1) ディーマジェスティ「屈辱の菊花賞で『何』があったのか。最強世代証明へ皐月賞馬が背負う『重大な役割』とは」
【血統診断】
ディープインパクト×ブライアンズタイムという配合は大物感溢れる組み合わせだが、ブライアンズタイムが色濃く出るため、空振りも多い。本馬がホームラン級の当たりになった最大の要因は、おそらく2代母のシンコウエルメスの血が良い方向に出たからだろう。
シンコウエルメスはキングジョージ6世&QESや英・愛国のダービーを勝ったジェネラス、マイラーズCを勝ったオースミタイクーンの半妹であり、愛1000ギニーと英オークスを勝ったイマジンの全妹という世界的な良血だ。
マスターダービー×サドラーズウェルズ×ブライアンズタイムという配合はスタミナ十分。叔母には牝馬ながらステイヤーズSで2着したエルノヴァがいる。ただ、ディープインパクト産駒ながらやや重い配合なので、純粋な切れ味勝負になった場合に不安が残る。3着に敗れた日本ダービーは、まさにその弱点が表面化した結果だった。
≪結論≫
『考察』で述べた通り、菊花賞のディーマジェスティには特別大きな不利はなかった。したがって、4着という結果は妥当なものであり、少なくともサトノダイヤモンドとは完全に力の差を見せつけられた感は否めないだろう。
レース後、蛯名騎手は「最初からハミを取らない感じでした。ゲートを出たあと、勝ち馬の横につけたかったのですが、向正面で蓋をされ、勝負どころでは勝ち馬(サトノダイヤモンド)に馬なりで離されてしまいました。2着争いでもしっかり抵抗しているのですが……」とコメント。
最初からハミを取らない感じだったという言葉通り、序盤やや行き脚がつかずに後方11番手からの競馬となっている。だが、2着のレインボーラインは、さらに後ろの14番手からの競馬。後方にいたことが、直接的な不利になったわけではない。